第23回「電気通信普及財団賞」贈呈式の模様
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第23回「電気通信普及財団賞」贈呈式の模様

2008年3月17日(月)11:00より
メルパルク東京(郵便貯金会館)にて

  1. 理事長あいさつ
  2. 選考委員による選考経過・講評
  3. 表彰状の贈呈
  4. 受賞者の代表挨拶

●テレコム社会科学賞 入賞
菊地 徹 様(神戸大学大学院)
論文タイトル「コミュニケーションネットワークと国際貿易」

この度は「第23回 電気通信普及財団賞 テレコム社会科学賞 入賞」という栄誉に拝し、光栄に存じます。審査してくださいました諸先生方、そして事務局の皆様方に心より御礼申し上げます。

現代経済を考える上で、「IT化」と「グローバル化」という二つのタームは非常に重要かつ切っても切り離せない概念です。それにも関わらず、グローバル化の本質を追求すべき国際貿易理論では、この二つの相互依存関係に焦点を当てた研究が決して多いとは言えない状況でした。今回の著書ではこれまでの国際貿易理論研究の流れをたどりつつ、そういったギャップを埋めることを心がけました。重要なのは、IT化に伴って、これまで貿易不可能と考えられていた様々なサービスの国際貿易が可能となる、という点です。このため、単なる一国の経済規模の大小ではなく、いかにITネットワークを通じて他国とつながりあえるのか、という接続可能性(コネクティビティ)が重要となると考えられます。優れた人的資源を持つ日本が21世紀を生き残っていくヒントも、このコネクティビティという概念にあるのではと考えております。

今回の受賞を励みに、今後さらに研究・教育に研鑽していく所存であります。最後になりましたが、電気通信普及財団の今後のますますのご発展を祈念申し上げます。


●テレコムシステム技術賞 入賞
高橋 玲 様(日本電信電話株式会社)
論文タイトル「ITU-T Recommendation G.1070, "Opinion model for video-telephony applications」

この度は「第23回 テレコムシステム技術賞」をいただき、身に余る光栄に存じます。今回受賞対象となりました案件は、お客様が感じる通信サービスの品質をいかに定量的に評価するか、といった課題に関する研究です。研究の一番の困難性は、まず多くのお客様にサービスの品質を実際に体験・評価していただき、膨大な評価データベースを構築しなければいけない点、さらに、この評価データに基づいて、通信の物理的な特徴とお客様が感じる品質の対応をモデル化する点にあります。

今回の受賞でご評価いただいたのは、この技術を確立しただけでなく、国際標準化機関に提案し、国際規格として採択していただいた点であると理解しています.標準化活動を通じて感じた点は,これまでの諸先輩の活動を通じて,各国の参加者から,日本の活動,特にデータに基づいた公平な提案に対して非常に高い信頼があることです.このような日本としての信用を継承していくことが私たち現役の活動者に課せられた使命の一つであると痛感いたしました。

最後になりますが、本件の研究を遂行するにあたりご指導・ご助言・ご協力いただいた数多くの方々、国際標準化活動を支援いただいた方々に感謝いたします。
今後も国内外の電気通信の発展に、学術界,産業界の両面から貢献していきたいと、決意を新たにしているところであります。


●テレコムシステム技術賞 入賞
全 炳河 様(名古屋工業大学大学院)
論文タイトル「Details of Nitech HMM-based speech synthesis system for the Blizzard Challenge 2005」

この度は「第23回 テレコムシステム技術賞」に選奨いただき大変光栄に思います。一連の論文で提案した隠れマルコフモデル(HMM)に基づく音声合成方式は、統計モデルの一種であるHMMを用いて音声を統計的にモデル化・合成するものです。本方式では、HMMのパラメータを適切に変化させることにより、従来の波形接続型音声合成では困難であった多様な話者性や感情を有した音声を容易に合成することが可能です。一方、本方式は品質という点では波形接続型音声合成に劣ると従来考えられていましたが、いくつかの改良を加えることにより大きく合成音声の品質が向上しました。このことによりHMMに基づく音声合成方式に対する認識が大きく変化し、多数の研究機関においてHMMに基づく音声合成方式の研究が開始されています。我々は本方式の開発を続け、より高品質かつ柔軟な音声合成器の実現を目指す所存です。

最後に、本研究を成し遂げるにあたり、様々な方々に適切なご指導・ご鞭撻頂きました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。


○テレコムシステム技術賞 奨励賞
田中久陽 様(電気通信大学大学院)
論文タイトル「A Noise‐Immune GHz‐Clock Distribution Scheme Using Synchronous Distributed Oscillators」

この度は「第23回 テレコムシステム技術賞」を頂き、大変光栄に存じます。入賞論文は産学連携の3人のメンバーで取り組んだものであり、大変嬉しく思っております。

受賞論文は、電気通信分野の大きな課題であるシステムの同期問題について、新しいアイディアの実証、動作メカニズムの解明、応用からなる一連の取り組みを行ったものです。システムの同期問題は性能を決定する重要な問題であり、特に高い精度が要求される半導体チップ上の回路の同期問題はチップ設計上の重要課題になっております。本論文では、従来の同期信号を分配するという考え方を変えて、回路全体を相互に同期させるという新しい試みに挑戦したものです。その挑戦が認められて大変嬉しく思います。

情報通信の分野は変化の早い分野で、研究にもスピードが要求されます。だからといって、既存技術のブラッシュアップだけではブレークスルーは望めません。斬新なアイディアの実証から理論的な裏づけ、応用に至る一連のプロセスを産学連携によって効率的に行うスキームの確立は、難しい問題への挑戦の機会を多く与えることにつながり、技術の発展に大きく寄与できると確信しております。

最後になりましたが、電気通信普及財団の今後のますますのご発展を祈念申し上げます。


●テレコム社会科学学生賞 入賞
■河西 宏紀 様
論文タイトル「EC(電子商取引)を活用した地域活性化」

この度、「第23回 電気通信普及財団テレコム社会科学学生賞」を頂き、誠に光栄
に存じます。受賞のお知らせを受けた時には、共同で執筆しましたゼミ生7人といつもサポートしてくださった先生の方々と喜び合うとともに、著名な賞を頂くことができたことを大変名誉なことと感じました。

本論文は、地域の活性化を主眼に置き、その方策としてEC(電子商取引)を活用した活性化策を提案したものです。日本ではまだ普及が進んでいないECですが、企業へのヒアリングを通していくなかでECの持つ有用性・多様性を評価し、これを企業活動と関連付け延いては地域活性化に繋げていくモデルを考えました。研究に当たっては地域衰退の原因分析やヒアリングで得たデータの分析などに大変苦労しましたが、ヒアリングにご協力下さった企業の皆様のご協力により、多くの課題を解決しこの論文を完成させることが出来ました。

執筆にあたって、岡本隆准教授、ヒアリングにご協力下さった企業の皆様など、たくさんのお力添えを頂きました。ここに重ねて申し上げます。


○テレコム社会科学学生賞 佳作
森 裕介 様
論文タイトル「多元主体機構における紛争構造の分析〜情報社会の主体間主導権争い〜」

この度は「第23回 テレコム社会科学学生賞 佳作」を頂き、大変光栄に存じます。受賞の報せをいただいた時、ちょうど私はカナダ、トロントにある大学へ短期間所属しておりました。その日は嬉しさのあまり、凍った雪道を走って帰ったものです。

私にとって大事な本のひとつに、以前のテレコム社会科学賞受賞作があります。大学での研究時間を、IT政策に使おうと決めたきっかけになった本でした。その著者が今回の卒業論文を指導してくださった方です。また、研究室の尊敬する先輩が、3年前に学生賞を獲得なさっていました。当時はそれを憧れの目で見ることしかできませんでした。ですから、ようやくこの分野の入り口に立たせていただいた気がして、受賞の報せに舞い上がったのです。

ネットワーキングは、私たちに全く新しい競争の土俵をもたらしました。したがって今、物事の「決め方を決める」争いが世界中で起きています。これまで同列のものと考えられていなかった、政府、企業、市民社会組織が入り乱れて主導権争いをしているのです。この論文は、その現場を見てきた報告です。チュニジアにも行きました。香港にも行きました。トップエグゼクティブを含めた多くの聞き取り調査を実現するために、数え切れない方からご助力を賜りました。本当に感謝しております。この論文を書く過程で得た素晴らしい経験を、今後もネットワーキングの世界で生かしたいと思います。


●テレコムシステム技術学生賞 入賞
中島 悠 様
論文タイトル「Disaster Evacuation Guide: Using a Massively Multiagent Server and GPS Mobile Phones」

この度は「第23回 テレコムシステム技術学生賞」を賜りましたこと大変光栄に存じます、審査していただいた諸先生方には厚く御礼申し上げます。また、論文の執筆にあたりご指導いただいた石田亨先生、八槇博史先生、ならびにご助力いただいた研究室の皆様に、この場をお借りして御礼申し上げます。

携帯電話の普及と高性能化、公衆無線LANの整備などにより、公共空間における通信基盤はますます充実したものとなりつつあります。これらを利用することで、今までにない新しいサービスが実現可能となると考えています。応募論文では、GPS携帯電話を用いた大規模災害時の避難誘導システムを例にとり、少数の被験者による実験により、公共空間で多数のユーザが利用するシステムを分析する技術の提案、評価を行いました。この技術の確立により、ユビキタス環境を用いたシステムの設計の一助になると信じており、今回の賞により評価いただけましたこと、大変嬉しく思います。この受賞を励みとして,さらに研究を進めていきたいと思います。


●テレコムシステム技術学生賞 入賞
宮城洋之 様
論文タイトル「Advanced Wavelength Reservation Method Based on Deadline-Aware Scheduling for Lambda Grid Networks」

この度は「第23回 テレコムシステム技術学生賞」に入賞致しましたことを大変光栄に思っております。選出して頂いた審査委員会の皆様、貴財団の関係者の皆様に深く感謝いたします。また、本論文を執筆するにあたって親切に指導していただいた山中直明先生、共著者の皆様、素晴らしい研究環境を提供してくださった研究室の皆様に感謝いたします。

応募論文では、グリッドに要求されるネットワークの特性を考慮し、独自の視点でグリッドと光ネットワークを融合し、デッドラインに基づいたリソース割り当てスケジューリングを提案しました。提案方式を用いることでリソースの利用効率を飛躍的に改善することが可能となります。

貴財団賞は電気通信分野における研究者の大きな目標となり、電気通信技術向上の支えとなります。末筆ながら、貴財団の益々のご発展を祈念申し上げます。


●テレコムシステム技術学生賞 入賞
堀江大輔 様
論文タイトル「情報セキュリティ工学データベースシステムISEDSの開発と応用」

この度は「第23回 テレコムシステム技術学生賞 入賞」を頂き、誠に光栄に存じます。このような名誉ある賞を頂けたことを執筆者一同心より喜んでおります。一同を代表いたしまして、改めて貴会に深く御礼申し上げます。

近年、電気通信技術は世界中の重要な分野において用いられており、これに伴い、通信におけるセキュリティの重要性は急速に増しております。このため、これらのシステムにおいてセキュリティが損なわれることは、我々の生活を脅かすものであると言っても過言ではないと存じます。私どもの論文は情報セキュリティに関する汎用的な支援ツール開発の第一歩としてデータベースシステムの構築について述べたものであり、その実用性と有効性を高く評価して頂いたことは、私どもにとって非常に喜ばしいことでございます。貴会のご助力によって、今後もより研究を重ね、より安全な社会の実現に貢献できることを大変喜ばしく存じます。

末筆ながら、貴会と電気通信技術分野の、より一層のご発展を心より祈念申し上げます。

●テレコムシステム技術賞 入賞
加藤 寧 様(東北大学大学院 教授)
論文タイトル「REFWA: An Efficient and Fair Congestion Control Scheme for LEO Satellite Networks」

この度は、栄誉ある「第23回 テレコムシステム技術賞」を受賞でき、誠に光栄でございます。私達のこれまでの研究成果に対しまして、ご評価頂けたことは大変嬉しく思い感謝を申し上げる次第です。次世代ネットワークにおいて、インターネットプロトコルの果たす役割が益々増大しており、本賞の受賞を契機により一層高いレベルの研究を目指し邁進してまいりたいと考えております。これからもご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

受賞論文一覧