第26回「電気通信普及財団賞」贈呈式の模様
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第26回「電気通信普及財団賞」受賞者の声

●テレコム社会科学賞 入賞
山口いつ子 様

論文タイトル「情報法の構造 ― 情報の自由・規制・保護」

 はじめに、この場をお借りして、東日本大震災によって尊い命を失われた方々に謹んで哀悼の意を表し、被災された方々に心からお見舞いを申し上げますことを、お許しいただければと存じます。
 このたびは、貴財団より第26回「テレコム社会科学賞」という大変名誉ある賞を賜りまして、誠に光栄に存じます。審査委員の先生方をはじめ関係の皆様に、厚く御礼を申し上げます。
 社会の情報化の諸課題に対応する、情報法という新しいカテゴリーの理論的体系化への挑戦が、拙著の主題です。情報の自由・規制・保護のそれぞれを切り口に、情報法の基底にある価値と理論の全体的な構造を、比較法的かつ客観的な視点で描き出すことを試みました。この原理論的考察を基盤として、情報にかかわる実定法の解釈論をまとめるステップへと進みたいと考えています。  
 震災後の状況の中で、自分に何ができるのかと思いを巡らす日々が続いていますが、今回の受賞を励みとして、情報法という領域のさらなる成熟に向けて研鑽を積み、日々の教育研究活動を通じて社会への貢献を果たして参りたいと存じます。  
 末筆ながら、貴財団の益々のご発展と関係の皆様のご健勝をお祈り申し上げます。本当にありがとうございました。


●テレコム社会科学学生賞 入賞
白石秀壽 様

論文タイトル「真のオピニオン・リーダーは誰か? ― 社会ネットワーク分析による抽出」

 この度は「第26回テレコム社会科学学生賞」という大変名誉ある賞を頂き、大変光栄に存じます。研究を進めるにあたり格別なる御指導を賜りました中央大学商学部久保知一先生、審査員の先生方、電気通信普及財団関係者の皆様に心より感謝申し上げます。この度の受賞を励みとして今後さらに研究活動に邁進していく所存です。
 インターネットが普及した今日、消費者の購買行動に多大な影響を与えるオピニオン・リーダーを識別することが可能となれば、企業は効果的なクチコミ・マーケティングを実施することができると考えられます。 既存研究では、消費者の持つ属性に基づいて、オピニオン・リーダーの特定が試みられてきました。しかし残念なことに、その識別方法は未だ確立されていませんでした。本論文では以上の問題意識のもと、web 上のクチコミのネットワークを、社会ネットワーク分析を用いて可視化することで、web上のオピニオン・リーダーの識別方法を提案しております。今後は本論で提案している方法をもとに、オピニオン・リーダーについて定量的な研究を行う必要があると考えられます。
 末筆ながら、貴財団と電気通信技術の今後より一層の御発展を心よりお祈り申し上げます。
 電気通信技術の今後より一層の御発展を心よりお祈り申し上げます。


◯テレコム社会科学賞 奨励賞
大黒岳彦 様

論文タイトル「『情報社会』とは何か?―〈メディア〉論への前哨」

 この度は、奨励賞をいただきありがとうございます。
実証的な研究の受賞作が多いなかで、私の作品のような純然たる思想論文が賞をいただいたことは著者としても感慨深く、審査員の方々の見識に敬意を表するとともに、厚く御礼申し上げます。
 さて、「情報社会」という言葉は、「メディア」や「情報」という言葉同様、人口に膾炙し頻繁に使われるありふれた言葉であるにもかかわらず、その内実は極めて曖昧です。著者としては、本書で「情報社会」の内実を様々な角度から照射することで或る統一的な像を浮び上がらせることができればと考えた次第です。
 本書におけるいま一つの目論見は、メディア次元において現在進行中のパラダイム転換の指摘です。著者は現在、文明史的に見ても希有なマスメディアからネットワークメディアへの転換が生じていると見ています。このことは、受賞と相前後して生じた震災・原発事故に際してのメディアの現実によって、図らずも裏付けられました。
 本書は著者が構想する「基礎的メディア論」の重要な一環であり、今回の受賞は著者が取り組んでいる作業への大きな鞭撻となりました。今後の理論構築へと引き続き邁進していきたいと思います。


◯テレコム社会科学賞 奨励賞
北野泰樹 様

論文タイトル「携帯電話におけるスイッチング・コストの定量分析 ― 番号ポータビリティ制度の評価」

 このたびは「第26回テレコム社会科学賞奨励賞」という栄誉ある賞をいただき、大変光栄に存じます。財団関係者,審査員の先生方をはじめとする皆さまに心よりの感謝を申し上げます。
 本論文は日本の携帯電話市場を対象に、消費者の携帯電話会社の選択において重要な役割を果たすスイッチング・コストを定量的に評価し、2006年に導入された番号ポータビリティ制度の影響を評価した論文です。本論文の成果は携帯電話市場をはじめとする電気通信市場における今後の政策を考える上での一助となればと考えております。もちろん、携帯電話市場を取り巻く複雑な制度、事業者の複雑な料金戦略、そして事業者間の戦略的相互依存関係の分析など、本論文では分析しきれていない課題も数多く存在します。
 今回の受賞を励みに、今後も分析を発展させ,一つ一つの課題を克服し,更なる成果を挙げられるよう努力しまいりたいと考えております。ありがとうございました。


●テレコムシステム技術賞 入賞
藤井竜也 様

論文タイトル「Layered Low-Density Generator Matrix Codes for Super High Definition Scalable Video Coding System」ほか

 この度は「第26回電気通信普及財団賞・テレコムシステム技術賞」という名誉ある賞をいただき、大変光栄に存じます。審査委員の先生方ならびに事務局の皆様には心よりお礼申し上げます。
 今回、受賞対象となりました研究は、LDGM符号(low density generator matrix code)をパケット通信に応用した研究であり、映像配信サービスの安定伝送に必須の技術と考えています。LDGM符号は,非常に疎なグラフ構造からなる前方誤り訂正符号(FEC: Forward Error Correction)であり、長い符号長を効率的に処理/扱えるため理論限界に迫れる強い符号です。考案技術は、LDGM符号の構造が情報源の階層関係を保持する特徴を見いだし、階層性を有したLDGM符号を提案したものです。また、LDGM符号の符号化単位をパケットよりも小さいサブパケットへと分割することで、LDGM符号が不得意であったブロードバンド帯域において符号化効率の改善を実現しています。今後は,本技術の適用領域拡大をはかるとともに、標準化活動や製品への搭載を通じて、映像配信サービスの発展に貢献していきたいと考えております。
 なお,本研究を成し遂げるにあたり社内・社外の多くの方々にご指導・ご支援を頂きました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。


●テレコムシステム技術学生賞 入賞
間渕隆之 様

論文タイトル「A superimposing acceleration and optimization method of optical reconfiguration speed without any increase of laser power」

 この度は、名誉ある「第26回電気通信普及財団賞・テレコムシステム技術学生賞」を頂きまして、大変光栄に存じます。また、電気通信普及財団関係者の皆様と審査委員の諸先生方に、心より御礼申し上げます。
 私は従来のLSI技術に光メモリ技術を組み合わせることで高速に演算を行うことができる光再構成型ゲートアレイの研究開発を行ってきました。これは、集積回路の微細化が困難になりつつあり、それを打開する対策が求められているからです。本賞をいただきました受賞論文では光再構成型ゲートアレイにおいてレーザのパワーを上げることなく回路のプログラム時間を短縮する手法を提案しました。この手法を用いることで光再構成型ゲートアレイのハードウェアに追加のコストをかけることなく、その性能の飛躍的向上が可能となりました。
 本研究を進めるにあたりご指導くださいました静岡大学の渡邊実准教授に厚く御礼申し上げます。また、末筆ながら、貴財団の益々のご繁栄を心よりお祈り申し上げます。


◯テレコムシステム技術学生賞 佳作
黄 俊翔 様

論文タイトル「Enhancement of CSMA/CA and Network Coding in Single-Relay Multi-User Wireless Networks」ほか

 この度、「テレコムシステム技術学生賞」という名誉ある賞を頂き、大変光栄に思います。選出していただいた審査委員の先生方に深く感謝いたします。また、論文の執筆にあたりご指導いただいた守倉正博先生、田野哲先生、梅原大祐先生、 及びご助言をいただいた杉山隆利様に、厚くお礼申し上げます。
 受賞させていただいた論文は、ネットワーク符号化によるCSMA/CAマルチホップネットワークのスループット向上と、各無線リンク間の通信優先度を最適化可能な制御方法を理論的に導出しています。また、計算機シミュレーションにより理論解析の有効性を検証しています。提案の制御手法は、複数のユーザ間に通信の機会を公平的に割り当て、限られる周波数資源を有効に利用すること等に応用できます。
 今回の受賞を励みにして、今後も情報通信分野において、有限な資源で最大な効果が得られるような通信技術の研究に取り組み、情報通信技術により現実世界のさまざまな課題の解決に貢献できたらと存じています。
 末筆ながら、貴財団の今後益々のご発展をお祈りいたします。どうもありがとうございました。


●テレコムシステム技術賞 入賞
松浦基晴 様

論文タイトル「Optical Carrier Regeneration for Carrier Wavelength Reuse in
a Multicarrier Distributed WDM Network」
ほか

 この度は、名誉ある「第26回電気通信普及財団賞・テレコムシステム技術賞」を受賞させて頂きまして、大変光栄に存じます。

 近年、ネットワークトラヒックの爆発的な増大によって、超高速・大容量伝送が可能な光ネットワークにおいても、将来を見据えた高性能化が要求されます。受賞論文では、マルチキャリア光源を各光ノードに分配する光キャリア分配型波長多重(WDM)光ネットワークにおいて、トラヒック変動を考慮した光キャリア配分法や、光キャリアを再生利用するための新しい光ノード技術などを提案しており、将来の光ネットワークで想定されるトラヒック変動に対する効率的なトラヒック制御や、省電力化の見込めるネットワーク技術を示しております。今回の受賞を励みとし、今後はより実用性の高い技術の研究開発に努めていければと思っております。

 最後に、お忙しい中、ご審査頂きました先生方、財団関係者の皆様に心より感謝申し上げます。また、電気通信普及財団の今後より一層のご発展を心よりお祈り申し上げます。


●テレコムシステム技術賞 入賞
船越裕介 様

論文タイトル「装置数の増減に対応した故障率推定法」ほか

 この度は「第26回電気通信普及財団賞・テレコムシステム技術賞」という名誉ある賞を頂き、大変光栄に存じます。また、選出頂いた関係者の皆様と審査委員の先生方に、心より御礼申し上げます。

 通信ネットワークの経済的な高信頼化の達成には、装置やネットワークの設計と開発だけでなく、運用中の信頼性を的確に測ることが重要です。しかし、従来から確立されてきた信頼性工学は、主に製造工程を対象としており、通信ネットワークのように、運用中に総ユーザ数や装置台数が動的に変化する場合に適用できないという課題があります。今回表彰頂いた一連の論文は、この問題を解決する技術を提案しており、通信ネットワークの信頼性をより適切に測定することが可能になります。その結果は、各種保全施策の効果判定や、次期ネットワーク・装置開発へのフィードバックなどに応用できます。

 今回の受賞を励みに更に研究を深め、通信ネットワークに適合する信頼性工学の再構築と、更なる実用性向上に取り組みたいと考えております。最後に、貴財団の益々のご発展を、心よりお祈り申し上げます。


●テレコムシステム技術賞 入賞
奈良竜太 様

論文タイトル「Scan-based Side-channel Attack against RSA Cryptosystemsusing Scan Signatures」ほか

 この度は「第26回電気通信普及財団賞・テレコムシステム技術賞」という名誉な賞を頂き、大変喜ばしく感じております。自分の研究が思いがけず高い評価を受けたことに驚くとともに、研究を進めていく上での自信につながりました。
我々の研究テーマは暗号回路に搭載されたLSIテスト用のスキャンパスから暗号回路動作中のスキャンデータを取得・解析し、秘密鍵を復元することです。提案した手法はスキャンパスに含まれる周辺回路や暗号処理にかかるサイクル数に依存しないため従来手法よりも実際的であり、またRSA暗号に限らずAES暗号や楕円曲線暗号など他のブロック暗号の秘密鍵を復元することもできます。提案手法により暗号回路に搭載されたスキャンパスの持つ脆弱性を明確にすることに成功しました。

 研究を進めるにあたり有益な御助言をいただきました大附辰夫先生、早稲田大学の柳澤政生教授、論文執筆に多大な時間を割いていただきました早稲田大学の戸川望教授、研究発表で貴重な御意見を下さった方々、論文を査読していただいた方々など、この場をお借りして深く御礼を申し上げます。末筆ながら、貴財団の益々のご繁栄を心よりお祈り申し上げます。


●テレコムシステム技術学生賞 入賞
辻 真志 様

論文タイトル「Accurate Estimation of the Number of Weak Coherent Signals」

 まず、この場を借りまして、平成23年東北地方太平洋沖地震により被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。被災地の1日も早い復興を願ってやみません。

 さて、この度は、「第26回電気通信普及財団賞テレコムシステム技術学生賞」という大変名誉ある賞を頂き、大変光栄に存じます。このような大変名誉ある賞を頂けたのは、日頃からご指導頂いております、鈴木康夫教授、神谷幸宏准教授、梅林健太助教、その他多くの関係者の皆様のおかげです。この場を借りて、深くお礼申しあげます。また、お忙しい中、論文を審査して頂いた先生方にお礼申し上げます。

 受賞させて頂きました論文は、アレーアンテナに入射する到来波の数を高精度に推定する方法を提案した論文です。到来波数推定は、高精度な電波の到来方向推定にとって必要不可欠な処理です。また、到来波数推定は、信号と雑音の境界を見つける意味合いから、OFDMのチャネル次数推定などに応用可能です。今後も、この大変名誉ある賞の受賞を糧に、到来波数推定の研究に邁進する所存です。

 最後に、電気通信普及財団の益々のご発展とご繁栄を心より折念申し上げます。

受賞論文一覧