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第23回「テレコムシステム技術賞」[1]「ITU-T Recommendation G.1070, "Opinion model for video-telephony applications"」 (ITU-T Recommendation, April 2007) [2]「Opinion Model for Estimating Video Quality of Videophone Services」 (Proceedings of IEEE GLOBECOM,2006) [3]「Multimedia Quality Integration Function for Videophone Services」 (Proceedings of IEEE GLOBECOM,2007)
テレビ電話サービスの総合品質を客観的に評価するため、ネットワーク、端末設計パラメータから映像メディアに対する品質を推定可能なオピニオンモデルを提案すると共に、音声、映像の個別メディア品質評価値と遅延時間からテレビ電話の総合品質を評価可能なマルチメディア品質統合関数を提案しており、これらの結果をもとにITU-T勧告を標準化しているところは高く評価できる。 [1]「Details of Nitech HMM-based speech synthesis system for the Blizzard Challenge 2005」 (IEICE Transactions on Information and Systems, Vol.E90-D, No.1, Jan. 2007) [2] 「A Speech Parameter Generation Algorithm Considering Global Variance for HMM-Based Speech Synthesis」 (IEICE Transactions on Information and Systems, Vol.E90-D, No.5, May 2007) [3]「A Hidden Semi-Markov Model-Based Speech Synthesis System」 (IEICE Transactions on Information and Systems, Vol.E90-D, No.5, May 2007) [4]「HMMに基づく音声合成におけるスペクトル・ピッチ・継続長の同時モデル化」 (電子情報通信学会論文誌, Vol.J83-D-II, No.11, 2000年11月)
これらの論文は、隠れマルコフモデル(hidden Markov model)に基づく音声合成方式(以下HMM音声合成方式)を提案し、さまざまな改良を加えた一連の研究を集大成したものである。特に、2005年に報告した論文では、従前HMM音声合成方式では音声品質に限界があるとされていた通説を打ち破り、劇的な合成音声の品質向上に成功している。このことはHMM音声合成に対するこれまでの認識を大きく覆し、関係分野に大きな衝撃を与えたものとして高く評価できる。 「MIMO-OFDM固有ビーム空間分割多重方式におけるチャネル情報フィードバック量の削減手法」 (電子情報通信学会論文誌, Vol.J89-B, No.9, 2006年9月)
マルチパス環境でも符号間干渉なしに伝送できるMIMO-OFDM空間分割多重方式では、送信側でチャネル情報を既知とする場合に、この情報を各サブキャリアごとにフィードバックする必要があるため、通信容量が低下するという問題があった。本論文では、時間領域のチャネル情報を精度よく推定し、それをフィードバックすることでフィードバック量を従来法に比べて大きく削減できることを示し、有効かつ新規性の高い論文である。 [1]「Incoherent 32-Level Optical Multilevel Signaling Technologies」 (IEEE Journal of Lightwave Technology, Vol.26, No.1, 2008) [2]「First experimental demonstration of single-polarization 50-Gbit/s 32-level (QASK and 8-DPSK) incoherent optical multilevel transmission」 (Proceeding of OFC/NFOEC 2007 Postdeadline Papers, PDP-21,2007)
非コヒーレント受信を用いて32値の光多値変調を実現したものである。直交光遅延検波器と波形等化を組み合わせ、光ファイバーの非線形効果についての補償機構も導入している。光の多値変調は今後の高速光通信技術において期待の高いものであり、32値の非コヒーレント受信を世界ではじめて実現したという成果を評価する。 [1]「複雑系と通信」 (「複雑系としての情報システム(複雑系業書4)」共立出版pp.181-250,2007年7月) [2]「Independent Component Analysis of Mixed Chaotic Signals for (Nonlinear Phenomena in Complex Systems Vol.10,No.2,2007) [3]「受信方法および受信装置」 (特開2007-150679, 2007年6月)
スペクトル拡散通信は優れた方式であるが、一般に、受信側では送信に用いた拡散符号に関する情報を必要とする。これに対し本書では、チェビシェフ多項式に基づくカオス系列で拡散符号化を行うことにより、独立成分分析を行うことで復号可能なCDMA通信を実現した。複雑系を系統立てて論述した意欲的な研究成果であるとともに、新規性のある大変優れた方式の提案であり、今後の電気通信にインパクトを与えた。 [1]「A Scheduling Protocol for Continuous Media Data Broadcasting With Large-Scale Data Segmentation」 (IEEE Transactions on Broadcasting, Vol. 53, Issue4, Dec.2007) [2]「A Broadcasting Scheme Considering Units to Play Continuous Media Data 」 (IEEE Transactions on Broadcasting, Vol. 53, Issue 3,Sept.2007) [3]「選択型コンテンツの放送型配信におけるスケジューリング手法」 (情報処理学会論文誌, Vol. 47, No. 12, 2006年12月) [4]「A Scheduling Scheme for Continuous Media Data Broadcasting with a Single Channel」 (IEEE Transactions on Broadcasting, Vol. 52, Issue 1, Mar. 2006)
ビデオコンテンツ等を配送する放送型配信において、待ち時間を低減することは重要なテーマである。筆者のグループは、コンテンツをセグメントに分割し、その転送順や回数を工夫することで待ち時間を減らすことができることを示しているが、本論文では、その分割を非常に多数のセグメントに分割して転送をスケジューリングすることにより、更に平均待ち時間を短縮することができることを示したものである。実用性の高い優れた方法の提案である。 [1]「REFWA: An Efficient and Fair Congestion Control Scheme for LEO Satellite Networks」 (IEEE/ACM Transactions on Networking, Vol.14, No.5, Oct. 2006) [2]「Recent Trends in IP/NGEO Satellite Communication Systems: Transport, Routing, and Mobility Management Concerns」 (IEEE Wireless Communications Oct.2005)
低軌道周回衛星を用いてTCP/IPによるインターネット通信を行う場合の諸問題を明らかにするとともに、その解決法を提案している。特に遅延の異なる複数のフローに対して、RTTに比例した個別フローの効果的な割当を行うスキームを提案し、これが利用率の向上、ドロップ率の減少、更に公平性の向上をもたらすことを明らかにしていることは高く評価できる。 [1]「H.264に基づくスケーラブル動画像可逆符号化」 (電子情報通信学会論文誌,Vol.J89-D, No.2, 2006年2月) [2]「Lossless Scalable Video Coding with H.264 Compliant Base Layer」 (Proceedings of International Conference on Image Processing (ICIP) ,2005)
可逆復号が可能なスケーラブル映像符号化方式の実現を目的としている。H.264標準の符号化法を基本レイヤとして、直交変換係数空間の格子点で原画素となりえない点を符号化対象から除くことで、係数量子化により失われる情報を効率良く符号化して可逆復号を可能としており、その結果、圧縮率が高くかつ実用的な速度で実現可能な符号化方式を実現していることは高く評価できる。 [1]「A Noise‐Immune GHz‐Clock Distribution Scheme Using Synchronous (IEEE International Solid‐State Circuits Conference (ISSCC) [2]「Synchronizability of Distributed Clock Oscillators」 (IEEE Transactions on Circuits and Systems - I: Fundamental Theory and
この2つの論文は、多数分散配置したリングオシレータを互いに配線で結合して高い精度の同期を得る回路方式に関する研究であり、論文1はクロッキング方式において全く新しいアイデアを提案しCMOSによるプロトタイプの試作により世界に先駆けて実証し、論文2においてそのメカニズムと動作原理を厳密に解明し応用回路を導出したものである。このことは実用性の高い技術を確立しただけでなく、さらに新しい研究領域の発展に寄与することが期待できる。 |