
| HOME > 電気通信普及財団賞 > 受賞論文 > 第25回 > |
第25回 「テレコム社会科学賞」「個人情報保護法の理念と現代的課題―プライバシー権の歴史と国際的視点―」 (勁草書房2008年5月)
本書は、プライバシー保護法に関するイギリスとアメリカの膨大な判例の原典にあたり、事実経過や解説も含めて詳細に分析し、邦訳して記述することによって、プライバシー保護法制の全容を明らかにした意義のあるものである。今後はこの考察を前提として、インターネット時代の日本のプライバシー保護法制について、制度の紹介に留まらない、クリエイティブな法理展開を志向されたい。 「アーキテクチャの生態系―情報環境はいかに設計されてきたか」 (NTT出版株式会社 2008年10月)
インターネットの進展をレッシングのいう「アーキテクチャ」の生態系という視点から分析することによって、技術とその利用者の社会的な活動が関連し合って多様なサービスが発生・進化して来たことを明らかにしている。また同じ技術がアメリカと日本で違った使われ方をしており、その原因が個人主義と集団主義の違いにあるという指摘は面白いものの、その議論は一層深める必要がある。 「ネットワーク・ミュージッキング : 『参照の時代』の音楽文化」 (勁草書房2009年8月)
本書の主題は、音楽が(CDのような形で)個人が「所有する」ものから、インターネット上で探してダウンロードするような「参照する」ものになったということであり、その実態が歴史的に、豊富な具体例を使って詳述されている。このような音楽伝達技術や楽しみ方の変化は音楽の様式、形式、内容にどのような変化を及ぼすのか、今後の研究のさらなる発展に期待したい。 |