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第26回「テレコム社会科学賞」「情報法の構造 ― 情報の自由・規制・保護」 (東京大学出版会 2010年7月)
本書は、憲法・著作権法という従来からの実定法学と、情報法という新たな法分野の境界・接点について、英米の判例・学説を中心に、様々な角度から論じた労作である。法律関係の情報ネットワーク上への展開がますます増加してくるであろう今後、境界的・第三者的解説・批判に留まることなく、情報に関わる実定法解釈学を構築していくことが必要である。 「『情報社会』とは何か?―〈メディア〉論への前哨」 (NTT出版 2010年8月)
本書は、情報社会や情報化についての深い哲学的思索がなされている。そのこと自体には他に例がない訳ではないが、欧米の文献に関する驚くほどの博識ぶりを誇示しながらも、今は「世界の情報社会論」となったその源である梅棹忠夫氏や増田米二氏ら日本人開拓者達の業績もきちんとフォローして正当に評価し、敬意を表している。 「携帯電話におけるスイッチング・コストの定量分析 ― 番号ポータビリティ制度の評価」 (日本経済研究 第63号 2010年7月)
本論文は、携帯電話番号ポータビリティ(MNP)制度の導入が消費者のキャリア変更時のスイッチング・コストをどの程度減少させ、消費者一人当りの消費者余剰を増加させたかについて実証的に分析した労作である。結論として18%程度のスイッチング・コストの減少、25〜35円の消費者余剰の増加、2.6%程度のキャリア変更確率の上昇があったとしている。分析にあたってはモデルの限界、統計手法及び用いたデータの制約を十分意識して丁寧に行われており、レベルの高い研究であると評価できる。ただし、本論文の結果はMNP制度導入後のデータのみを用いたものであって、制度導入前後の変化からその効果を計測したものではない。今後の発展を期待したい。 |