研究留学者による研究生活の状況

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大驛 潤 氏(東京理科大学)
留学先:スタンフォード大学大学院・米国

 電気通信普及財団の長期海外研究援助を受け、アメリカのスタンフォード大学大学院 (Stanford University )で客員准教授(Visiting Associate Professor)として教育・研究活動を行っています。

スタンフォード大学のシンボル的な建物「フーバータワー」
スタンフォード大学のフーバータワー
 スタンフォード大学はアメリカ西海岸に位置する1891年創設の私立総合大学です。キャンパスは、サンフランシスコから約37マイル(60 km)南東にあり、地理上、また歴史上もシリコンバレーの中心に位置しています。ここでの教育・研究は、8180エーカーという広大な敷地のもと、腰を据えて教育・研究に取り組める環境といえます。またすぐに自然に触れることもでき、町と自然とがうまく共生している大学であると感じます。

 私は、「情報通信技術の発展とそれに伴う経済・経営システムの変容に関する研究」というテーマの下、とりわけeマーケティングとオープンイノベーションの側面から、客員准教授として教育・研究を行っています。研究室のフェロー同様、私にも個室の研究室が割り当てられており、週に1度、研究ミーティングをもちながら、進行度をチックし、ディスカッションを繰り返しながら研究を進めています。

 ここでは、いかに議論を押し広げていくかが枢要となります。相手の話を咀嚼し、自分の意見を主張し、議論の落とし所を自分の視点から明確に示すことが肝要となります。ディスカッションでは、理論を現実世界に応用することが希求されるので、非常に実践的とも言えます。

 スタンフォード大学での研究に関しては、情報通信技術関連系として「Media X」「Bio X」「Renewal CSLI: Center for the Study of Language & Information」という研究プログラムがあります。これらは、産学連携というだけではなく、横断的に学内の関連複数学部をつなぐプログラム組織という意味で、大変興味深いものとなっています。

 こうした学際的研究の台頭は、従来、専門化を推進してきた学問体系だけでは、対応不可能な現代的問題が表出し、その解明が喫緊の課題となっていることに、その背景があります。故に、社会からの現実的要請は学問体系の融合化志向を導出し、各専門分野で到達した研究の集結を求めている、といえるでしょう。

 スタンフォード大学内においてinterdisciplinary systemが構築されたり、横断的に複数大学が連携されることによって、産業界との連携が一層簡便となる仕組みは、日本にとっても学ぶべき点が多いと感じます。産業界との連携プロジェクトを実施する際の制度的インフラ、組織的インフラの重要性を、日本と比してここに居ると肌で感じます。