テレコム社会科学学生賞

表彰者コメント

※受賞者の所属は当論文賞受賞時のものです。

白水 菜々重 氏(関西大学大学院 総合情報学研究科 知識情報学専攻 博士課程前期課程2年)

テレコム社会科学学生賞 入賞「TwitterとUSTREAMを活用するイベントコミュニティを対象としたインタラクション分析」

■受賞者コメント

この度は、「第29回電気通信普及財団テレコム社会科学学生賞」という栄誉ある賞を賜り大変光栄に存じます。審査に携わっていただきました先生方、及び貴財団の関係者の皆様に厚く御礼を申し上げます。また、本論文の執筆にあたりご指導を賜りました松下光範先生、本研究の遂行にお力添えを頂きました高専カンファレンス関係者を始めとする調査協力者の皆様に、この場をお借りして深謝いたします。

近年、共通の関心や興味に基づいて人々が自発的に開催する勉強会やカンファレンスなどのイベントが増加しています。本研究では、こうしたイベントを開催するコミュニティにおいて行われるソーシャルメディアを利用した情報発信や、遠隔地にいる人とのオンラインでのコミュニケーションという事象に着目しました。

受賞論文では、そのようなコミュニティの一つとしてTwitter と USTREAM を利用してイベントの中継を行っているコミュニティを対象とし、これらのソーシャルメディアがコミュニティ成員間のインタラクションにどのような影響をもたらしているかを、ツイートログの分析およびアンケート調査を通じて観察しました。その結果、オフライン中心の従来型コミュニティには無い柔軟なコミュニティが形成されていることや、遠隔地からソーシャルメディアを利用して参加するユーザにも情報伝搬のhubとなる人物がいること、といった知見を明らかにすることができました。

この度の受賞は、研究活動を進めるにあたり大変励みとなりました。今後も「人をつなぐインタラクション」に注目しながら、情報通信分野の発展において貢献ができるよう、更なる研鑽を積み重ねていきたいと存じます。最後になりましたが、貴財団の益々の御発展と御繁栄を心より祈念いたします。

栗原 佑介 氏(筑波大学大学院 ビジネス科学研究科 企業法学専攻 博士前期課程2年)

テレコム社会科学学生賞 佳作「MLA連携と著作権法における権利制限―文化政策としてのデジタルアーカイブ化における支分権をめぐる諸問題―」

■受賞者コメント

本研究は、図書館,博物館,公文書館の連携(MLA連携)と著作権法の接点に着目し、現状と課題を明らかにするものです。MLA連携には、アーカイブにあたっての技術的問題と設置根拠となる法令が異なることから、異なる規律を受けるなどの法的問題の課題が山積していますが、その中でも著作権法との関係に限定しました。今回の受賞を機に、より総合的な研究をしてまいりたいと思います。