テレコムシステム技術学生賞

表彰者コメント

※受賞者の所属は当論文賞受賞時のものです。

大田 智也 氏(京都大学 大学院情報学研究科 通信情報システム専攻 修士課程2年)

テレコムシステム技術学生賞 入賞「A Reduced-Complexity Heterodyne Multiband MIMO Receiver with Estimation of Analog Devices Imperfection in a Baseband Feedback Loop」

■受賞者コメント

この度は、「第29回電気通信普及財団賞・テレコムシステム技術学生賞」という名誉ある賞を頂き、大変光栄に存じます。審査委員の先生方、電気通信普及財団関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。また、研究や本論文の執筆にあたってご指導、ご助言を頂きました守倉正博先生(京都大学教授)、田野哲先生(岡山大学教授、前京都大学准教授) に心より感謝致します。

本論文では、コグニティブ無線実現のための低演算量型 ヘテロダインマルチバンドMIMO受信機を提案しました。演算量を低減するためにフィードバックする構成にしたとき、フィードバックループで使用されるアナログ回路の不完全性が問題となります。この問題を解決するために不完全性を補償するアルゴリズムを考案し、 その有効性を計算機シミュレーションにより検証しました。本研究成果により任意の無線周波数帯で通信可能な受信機を 低演算量で実現することが可能になります。

今回の受賞を励みに、今後も情報通信技術の発展に貢献していきたいと考えております。 最後になりますが、貴財団の今後の更なるご発展を心よりお祈り申し上げます。

高井 真人 氏(静岡大学 大学院 工学研究科 修士課程1年)

テレコムシステム技術学生賞 入賞「Semi-Blind Interference Alignment Based on OFDM over Frequency Selective X Channels」

■受賞者コメント

この度は「第29回電気通信普及財団賞・テレコムシステム技術学生賞」という名誉ある賞をいただき、大変光栄に存じます。審査委員の先生方、ならびに電気通信普及財団の皆様方に厚く御礼申し上げます。また、本論文を執筆するにあたり格別なるご指導を賜りました石橋功至先生、ウォンヨンシン先生、ヒョソクイ様、和田忠浩先生に深謝いたします。

近年、複数の無線端末のアンテナを利用して仮想的にMIMOとみたてる手法が活発に研究されています。本研究は、各送信端末が各々信号を制御することで各受信端末における信号空間のある部分空間に信号を抑え込み、所望信号空間を最大化して伝送レートを向上させる手法です。従来手法では各送信端末がシステムに存在する全ての送受信端末間の通信路応答値や複数アンテナの具備を必要とする点が実用上の障害と指摘されていました。本手法では、各送信端末は自身に関する通信路応答値のみを必要とし、受信側では単一のアンテナを用いて受信値の簡単な減算処理のみにによって非直交通信路における最大の伝送レートを達成することが可能になります。

この度の受賞を励みに、今後とも情報通信技術の発展と普及に貢献していきたいと存じます。最後に、貴財団の今後益々のご発展をお祈り申し上げます。