テレコムシステム技術学生賞

第32回テレコムシステム技術学生賞

※受賞者の所属は当論文賞受賞時のものです。

神矢 翔太郎 氏(京都大学 大学院情報学研究科 修士課程2年)

テレコムシステム技術学生賞 入賞「Self-Organization of Coverage of Densely Deployed WLANs Considering Outermost APs without Generating Coverage Holes」

■受賞者コメント

神矢 翔太郎

このたびは、「第32回テレコムシステム技術学生賞」を賜り、大変光栄に存じております。審査員の先生方および電気通信普及財団の皆様に深く御礼申し上げます。また、本論文の執筆に際しまして、日頃より多大なるご指導をしてくださった山本高至先生、西尾理志先生、守倉正博先生、またアライドテレシス総合研究所の杉原智行様に厚く御礼申し上げます。

受賞論文は、高密度に配置された無線LANにおける干渉問題に取り組んだものであり、自律分散的な送信電力制御方法を提案するものです。単純な送信電力制御では、どのアクセスポイントからも被覆されない領域が生じます。そこで、アクセスポイントと端末を用いた被覆検出手法を提案し、任意の領域の被覆を保証しつつ、被覆が重複している領域の低減を実現しています。

今回の受賞を励みに、情報通信技術の発展に貢献できるよう精進を重ねて参ります。末筆ながら、電気通信普及財団のますますの発展を祈念しております。

Mondher Bouazizi 氏(モンデル ブーアジジ)(慶應義塾大学大学院理工学研究科開放環境科学専攻 修士課程2年)

テレコムシステム技術学生賞 佳作「A Pattern-Based Approach for Sarcasm Detection on Twitter」

■受賞者コメント

Mondher Bouazizi モンデル ブーアジジ

このたびは、「第32回テレコムシステム技術学生賞」という栄えある賞を賜り、大変光栄に存じます。審査委員の皆様や電気通信普及財団の皆様、そして本研究および本論文の執筆にあたり沢山のご指導を頂いた大槻知明先生(慶應義塾大学教授)に大変感謝いたします。

今回の受賞論文は、英語の文章を対象とした皮肉の検出に関する内容となっております。研究の背景として、近年ビッグデータの活用に注目が集まっており、Social Network Service (SNS) や Webサイトなどのコンテンツの分析は、大衆の意見や感情を知る手段となっています。しかし、皮肉などが含まれる場合、分析が困難な場合があります。そこで本論文では、文章中の品詞や対比の有無などを利用して、皮肉の検出を行いました。これにより、従来の方法より商品のレビューやユーザの感情の分析の精度を高めることができます。

今回の受賞を励みに、情報通信技術の発展に貢献すべく、今後も精進していく所存であります。最後になりますが、電気通信普及財団の益々のご発展とご繁栄をお祈り申し上げます。

大岩 美春 氏(東京農工大学 大学院工学府情報工学専攻 博士前期課程1年)

テレコムシステム技術学生賞 佳作「Reduced-Packet-Delay Generalized Buffer-Aided Relaying Protocol: Simultaneous Activation of Multiple Source-to-Relay Links」

■受賞者コメント

大岩 美春

このたびは、「第32回テレコムシステム技術学生賞」という名誉ある賞を賜り、大変光栄に存じます。ご審査頂いた先生方、電気通信普及財団の皆様、並びにご指導頂いた杉浦慎哉先生に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

受賞論文は、無線中継ネットワークにおける伝送の高信頼化及びシステムオーバーヘッドと遅延の低減に関するものです。ここ数年で、無線ネットワークの中継端末においてパケットを一時保存するバッファを活用すると、従来の限界を超えた高い信頼性を達成出来ることが明らかにされました。しかしながら、この信頼性はシステムオーバーヘッド及び伝送遅延と引き換えに得られるため、これらの改善が本質的な課題です。そこで本論文は、従来手法で見落とされていた無線電波のブロードキャスト性に着目しています。具体的には、電波が正常に届く全ての中継端末にパケットを保存する手法を提案し、高信頼を維持したまま上記二点の低減を達成しました。

今回の受賞を励みに、情報化社会の発展に貢献出来るよう技術を高めていく所存です。最後になりますが、貴財団の益々のご繁栄とご発展を心よりお祈り申し上げております。