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表彰実績

電気通信普及財団賞テレコムシステム技術学生賞

第32回(2016年度※受賞者の所属は当論文賞受賞時のものです。

■第32回テレコムシステム技術部門の総評はこちら

入賞
「A Bit-Write-Reducing and Error-Correcting Code Generation Method by Clustering ECC Codewords for Non-Volatile Memories」

(発表論文:IEICE,IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics,Communications and Computer Sciences,2016年12月)

古城 辰朗  早稲田大学 大学院基幹理工学研究科
情報理工・情報通信専攻 博士後期課程1年
共著者:多和田 雅師、柳澤 政生、戸川 望

■ 審査員コメント ■
誤り訂正符号を用いて不揮発性メモリに書き込む場合、書き込みビット数が増加して消費エネルギーが増加するという課題がある。本論文では、符号語をクラスタリングすることにより、誤り訂正能力を維持しつつ平均書き込みビット数を削減して、エネルギー消費を削減できる方法を提案している。本論文は、新規性も高くかつ学生の貢献も大きいことから、テレコムシステム技術学生賞にふさわしいと評価される。

入賞
「Self-Organization of Coverage of Densely Deployed WLANs Considering Outermost APs without Generating Coverage Holes」

(発表論文:電子情報通信学会,IEICE Transaction on Communications,2016年9月)

神矢 翔太郎  京都大学 大学院情報学研究科 修士課程2年
共著者:長嶋 圭太、山本 高至、西尾 理志、守倉 正博、杉原 智行

■ 審査員コメント ■
本論文では、無線LAN環境において、カバレッジホールの発生とAP(アクセスポイント)によるカバレッジエリアの重複を低減することによって、高いシステムスループットを実現する送信電力制御法を提案している。提案方式における大きな特徴である、AP間の協調によって非カバー領域と重複カバー領域を各々推定し、削減する方法と外部のAPの電力制御を制限し、非カバー領域の増加を防ぐ方法は、受賞者によるアイデアによるものであるとの推薦者の言から、本論文に対する受賞者の貢献は極めて大きいと判断される。

入賞
「Scalable Networks-on-Chip with Elastic Links Demarcated by Decentralized Routers」

(発表論文:IEEE,IEEE Transactions on Computers,2016年9月)

安戸 僚汰  慶應義塾大学 大学院理工学研究科 後期博士課程1年
共著者:松谷 宏紀、鯉渕 道紘、天野 英晴、中村 維男

■ 審査員コメント ■
本論文では、大規模、マルチコア化するLSI上のインタコネクションネットワークに、従来のバスではなくルータ機能を実装する際の遅延の問題を解決している。ルータ機能を詳細に分析し、分散、パイプライン構成を取ることにより遅延のインパクトの解決を狙った極めてブレークスルーの大きい研究である。さらに、受賞者は日頃より国際会議等、アカデミックに積極的に活躍している。それらも高く評価し、テレコムシステム技術学生賞として表彰する。

佳作
「A Pattern-Based Approach for Sarcasm Detection on Twitter」

(発表論文:IEEE,IEEE Access,2016年8月)

Mondher Bouazizi 慶應義塾大学 大学院理工学研究科
開放環境科学専攻 修士課程2年
共著者:大槻 知明

■ 審査員コメント ■
本論文では、4種類の皮肉のパターンと特徴量を地道に数え上げ、それらを用いたTwitterの皮肉検出の高さを実証している。SNSの分析技術は情報通信分野の基盤であり、着想、実装、実データでの評価を学生が行い共著者も少ないことから受賞者の貢献は大きい。活発な学会発表も含めて、高く評価できる。

佳作
「文書と音声解析に基づくプレゼンテーション動画の印象予測」

(発表論文:電子情報通信学会,電子情報通信学会論文誌D, 2016年8月)

福島 悠介  東京大学 大学院情報理工学系研究科 電子情報学専攻 修士課程2年
共著者:山崎 俊彦、相澤 清晴

■ 審査員コメント ■
本論文は、プレゼンテーション動画から聴衆が受ける印象を予測することを目的として、話の内容の特徴量、音声の特徴量等を用いて聴衆の印象を2クラス分類で推定する手法を提案している。実験により、ある印象を受けるか否かの識別では90%以上の精度で推定できることを明らかにしており、受賞者も研究構想の立案から実験まで大きく貢献していることから、高く評価できる。

佳作
「Reduced-Packet-Delay Generalized Buffer-Aided Relaying Protocol: Simultaneous Activation of Multiple Source-to-Relay Links」

(発表論文:IEEE,IEEE Access,2016年7月)

大岩 美春  東京農工大学 大学院工学府情報工学専攻 博士前期課程1年
共著者:杉浦 慎哉

■ 審査員コメント ■
本論文では、複数の中継ノードにバッファを具備した2ホップ無線協調通信ネットワークにおいて、システムオーバヘッドの削減とパケット遅延の低減を実現すべく、ブロードキャスト性を利用したプロトコルを提案している。推薦者によると、受賞者が中心に、マルコフ連鎖に基づき提案プロトコル採用時の不稼働率とパケット遅延の理論値の導出に成功し、論文の価値を高めたとのことである。今後さらに技術を高め、若手研究者としてのなお一層の活躍を期待することから、佳作とした。