電気通信普及財団トップ > これまでの実績 > テレコムシステム技術学生賞[表彰実績]

表彰実績

電気通信普及財団賞テレコムシステム技術学生賞

第31回(2015年度※受賞者の所属は当論文賞受賞時のものです。

■第31回テレコムシステム技術部門の総評はこちら
■受賞者からのコメントはこちら

最優秀賞
「Oversampled Graph Laplacian Matrix for Graph Filter Banks」

(発表論文:IEEE,IEEE Transactions on Signal Processing,2014年12月)

﨑山 亮恵  東京農工大学 大学院生物システム応用科学府
生物機能システム科学専攻 博士後期課程1年
共著者:田中 雄一

受賞作品を閲覧 ▶

■ 審査員コメント ■
グラフ信号処理は近年盛んに研究が進められている領域である。本論文は、k-彩色可能グラフを二部グラフでオーバーサンプリングする手法を提案し、この手法に基づいたグラフ信号処理が雑音除去等の信号処理において既存手法と比べて高SN比の結果を得ることができることを示している。当該研究室の既発表の研究成果も踏まえているが、着想、理論展開、シミュレーションの大部分に関わっているとの推薦者の言と、共著者も少ないことから、本論文に対する受賞者の貢献は大きいと判断される。

入賞
「A Hardware-Trojans Identifying Method Based on Trojan Net Scoring at Gate-Level Netlists」

(発表論文:IEICE Transaction on Fundamentals of Electronics,
Communications and Computer Sciences,2015年12月)

大屋  優  早稲田大学 大学院基幹理工学研究科 修士課程2年
共著者:史 又華、山下 哲孝、岡村 利彦、角尾 幸保、後藤 敏、柳澤 政生、戸川 望

受賞作品を閲覧 ▶

■ 審査員コメント ■
今後ますます重要性が高まる情報漏えいに対処する手法に関する論文である。本論文は、2つの特に優れた点がある。1つは、ハードウェアのトロイの木馬的な技術課題であり、新しくかつ比較的アプローチが少ないオリジナリティの高い研究である。もう1つは、世の中で多く用いられるAES、RSA暗号等、アルゴリズムに左右しない点をしっかり示しており、大きな波及的効果を持つ、実用上の貢献も多大である。今後、解読防止策の手がかりへの発展を期待し、テレコムシステム技術学生賞とした。

入賞
「Optimal Coding of Generalized-Gaussian-Distributed Frequency Spectra for Low-Delay Audio Coder With Powered All-Pole Spectrum Estimation」

(発表論文:IEEE,IEEE/ACM Transactions on Audio, Speech,
and Language Processing,2015年8月)

杉浦 亮介  日本電信電話株式会社 コミュニケーション科学基礎研究所
共著者:鎌本 優、原田 登、亀岡 弘和、守谷 健弘

受賞作品を閲覧 ▶

■ 審査員コメント ■
本論文は、高圧縮・低遅延の音響信号符号化として線形予測分析を拡張したスペクトル包括推定手法「累乗全極スペクトル推定(PAPSE)」の提案を行った。論文の学術的新規性が極めて高いと同時に、実用性も高く、一部の技術に関しては特許取得や3GPPの標準化の1つとして採用される等、短期間にグローバルかつ社会に対するインパクトを伴う多大な貢献があり、テレコムシステム技術学生賞に最もふさわしい論文である。

入賞
「Can Critical-point Paths under Lp-regularization(0<p<1)Reach the Sparsest Least Squares Solutions?」

(発表論文:IEEE,IEEE Transactions on Information Theory,2014年5月)

JEONG Kwangjin  慶應義塾大学 大学院総合デザイン工学専攻 修士課程1年
共著者:湯川 正裕、甘利 俊一

受賞作品を閲覧 ▶

■ 審査員コメント ■
圧縮センシングのように、画素間の関係を表す方程式が変数(画素)の数より少ない場合について最適解を求めるスパース最適化問題は、信号処理にとって重要な課題である。本論文は変数の0が最も多い最疎解と原点を結ぶパスの存在を明らかにしたもので、今後のこの問題の解決に大きく貢献したものである。具体的応用について更に検討することを期待するが、研究として重要で受賞者の貢献も大きいことから、テレコムシステム技術学生賞にふさわしいと判断される。

入賞
「Multichannel Signal Separation Combining Directional Clustering and Nonnegative Matrix Factorization with Spectrogram Restoration」

(発表論文:IEEE, Signal Processing Society, IEEE/ACM Transactions on Audio,
Speech, and Language Processing, Vol.23, No.4, 2015年4月)

北村 大地  総合研究大学院大学 複合科学研究科 情報学専攻 博士後期課程2年
共著者:猿渡 洋、亀岡 弘和、高橋 祐、近藤 多伸、中村 哲

受賞作品を閲覧 ▶

■ 審査員コメント ■
本論文は、ステレオ収録された音楽信号に対する音源分離技術として、方位クラスタリングとスペクトル修復付きSNMF(Supervised Nonnegative Matrix Factorization)を組み合わせた方法を提案している。さらに、音源を分離する能力と周波数成分の欠損成分を復元する能力の間にトレードオフが存在することを見出し、提案技術に適応性を与えることにも成功した。受賞者は、本研究に関連した様々なアイデアを考案し、膨大な量の関連実験を実施するとともに、多数の学会発表の実績から、テレコムシステム技術学生賞にふさわしいと判断される。

佳作
「Detecting Hybrid and Electric Vehicles Using a Smartphone」

(国際会議:ACM Ubicomp, 2014年9月)

高木  雅  東京大学 大学院情報理工学系研究科 電子情報学専攻 博士1年
藤本 浩介  東京大学 大学院学際情報学府 学際情報学専攻 修士2年
共著者:川原 圭博、浅見 徹

受賞作品を閲覧 ▶

■ 審査員コメント ■
本研究は、電気自動車の普及に伴い問題となる、事故を防止するためにモータが生成する高周波音をスマートフォン及び機械学習を用いて、高精度かつ早く通知する手法を確立すると同時に、プロトタイプを作成しフィールドにおいて実証する等、実用性の向上にも取り組んだ、きわめて有用で、オリジナリティが高く、チャレンジングで興味深い研究成果である。今後さらに技術を高め海外著名論文誌への投稿を望むことから、テレコムシステム技術学生賞の佳作とした。