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表彰実績

電気通信普及財団賞テレコム社会科学賞

第30回(2014年度※受賞者の所属は当論文賞受賞時のものです。

入賞
「企業変革における情報システムのマネジメント—ISのフレキシビリティと戦略的拡張性—」

(書籍発刊:発行所:碩学舎、発売元:中央経済社, 2013年10月)

依田 祐一
流通科学大学 流通科学研究所 客員研究員
神戸大学大学院 経営学研究科 研究員

■ 審査員コメント ■
本書は、企業情報システムを戦略的にインソーシングすることの有効性を主張するために、情報システムに求められる柔軟性が、企業の変革期においては通常期と異なることに注目している。日本企業3社の変革期を事例に、必要となる情報システムの柔軟性の特性を探索し、IS伸縮性とIS生産性に加えて、IS戦略的拡張性という柔軟性が必要となることを指摘する。そしてこのIS戦略的拡張性を企業が得るためには、企業情報システムのインソーシングが有効となることを指摘。企業情報システムのソーシングに関する定説に、新たな視角から一石を投じようとする意欲的な研究である。今後、クラウドコンピューティングの影響を考察する等さらなる研究が期待される。

奨励賞
「コンテンツの多様性: 多様な情報に接しているのか」

(書籍発刊:白桃書房, 2013年11月)

浅井 澄子
明治大学 政治経済学部 教授

■ 審査員コメント ■
本書は、放送と音楽を対象に、ブロードバンド・ネットワークや多チャンネル化等コンテンツの伝送手段の増加が、消費者の選択肢の幅を広げ多様な情報を入手可能にしたのか、それとも情報量は増加しても単に同種の情報の流通にすぎないのかを考察している。豊富なデータに基づく丁寧な分析の結果、放送では地上波放送のみの視聴者にとっては多様性の低下、音楽では媒体間の価格差が多様性の向上につながったと結論付けている。ただし、結論自体は既に一般に知られている内容に近い上に、分析結果に基づく事業者側への提言が行われていないのが惜しまれる。本書で示した分析手法は他分野にも応用可能であり、今後の研究の発展を期待したい。